TECHNOLOGY
MADE IN JAPAN の誇り
MODEL - CCシリーズの特徴 HIRO-SYSTEMのエンクロージャーはすべてアルミニウム合金で作られています。ではなぜエンクロージャーの素材としてアルミニウムをつかったのでしょうか? 通常スピーカーの作製には合板やMDF、パーティクルボードなどが使用されます。それらは加工、大量生産やコストの面では大変優れた素材です。楽器の多くが木材から作られていることからも、良い音を演出するにはもってこいの素材と言えるでしょう。しかしあえてHIROがアルミニウムを選択したのは、アルミニウムの持つ優れた物理特性を重視したからです。 HIROは完全密閉型のエンクロージャーを採用していますから、ユニットから放たれる音圧をすべてエンクロージャー内部で吸収する必要があります。それには、強度とともに素材に重量がないと、箱全体が振動してしまいます。一般的な合板に比べて、アルミニウムの比重は4.5倍あり、重量のみに着目してMODEL-CCSと同じスピーカーを合板で作ろうとすると、4倍以上の板厚が必要となり、異常に巨大化して現実的なスピーカーではなくなってしまいます。 このように、メリットの多いアルミニウムですが、木材に比べると加工が難しく、高い技術が要求されます。ですから、大型のエンクロージャーをすべてをアルミニウムで作っているメーカーは世界中を見渡しても数社しかありません。HIROではすべての加工を国内の加工工場で行っており、しかもその技術・精度は世界トップクラスです。→写真 ◆精密加工 アルミニウムの加工にはTOSHIBA MACHINE 門型マシニングセンタMPFなど超大型の加工機を使っています。その精度はミクロン単位で、エンクロージャーにはパッキング材はおろか接着剤の入る隙間さえありません。隙間やガタのない構造はエンクロージャーの強度を飛躍的に高め、不要な共振が発生する余地さえ残しません。また、MODEL-CCCの部品を加工している工場は、同じラインで航空機の部品も加工しており、日本の高い技術の中枢ともいえる場所なのです。→写真 ◆TIME ALIGNMENT HIRO Acoustic Laboratoryはタイムアライメントを重要視しています。タイムアライメントを修正するオーソドックスな方法としてはバッフルを後ろに傾けたり、ツイーターを少しくぼんだ位置に配置する方法などがありましたが、ユーザーの視聴位置は一定ではないため、実は正確にアライメントを取ることはできなかったのです。HIROでは各ユニットが前後に自由に動き、かつ移動した距離が正確にわかるVTAS(Variable Time Alignment System)を開発しました。→詳細 ◆極小前面投影面積 ユニットのサイズぎりぎりまで絞り込んだエンクロージャーは、フロントバッフルの反射を避け、バッフル効果やホーン効果が起こらない様に設計されたものです。反射音は再生能率を上げるには都合がよいですが、音像の正確な再現には不利に働くことがあるからです。 ◆小口径シングルウーファー HIRO-SYSTEMは低音部に大口径のユニットを使用しません。小口径で剛性の高いユニットを一つのエンクロージャーに対して一基だけ使用します。それは正確な低音の再生には、振動版の正確なピストンモーションが必須であると考えたからです。加えて複数のユニットが同一のエンクロージャーに入ることによって起こる相互干渉(ドロンコーン効果)嫌ったからです。振動版はハニカム構造体を2枚のセラミックでサンドウィッチした極めて強固な構造です。共鳴管や箱鳴りを利用しない、わずか22センチのウーファーから、オーディオルームの気圧をも変化させるほどの重低音が再生される事実は聴いた者にしか実感できないでしょう。→スピーカーユニット ◆セラミックミッドレンジ 極めて軽く、固いセラミック振動版を使ったミッドレンジユニットは、3オクターブを超える広い帯域をカバーしMODEL-CCシリーズの音色を決定づけています。現代のハイエンドスピーカーの多くは、小型のウーファーを使用した2wayのシステムにスーパーウーファーを足したユニット構成を選択していますが、MODE-CCSではこのセラミックミッドレンジに広範囲の音域を再生させています。大きく重いミッドバスから放たれる中高音域とは、全く別世界のハイスピードな再生音に驚かれることでしょう。→スピーカーユニット ◆ソフトドームツイーター SCAN SPEAK製のこのユニットは動的な質量が、わずか0.35g、ソフトドーム振動版でありながら、人間の試聴可能域をはるかに超えた30kHzまでも再生することができます。そして、最新の磁気回路に支えられ、極めて優れた再生能力を持っています。そのユニットを支えるアルミニウムエンクロージャーは4kgを超えます。この無駄とも思えるほどの物量投資がMODEL-CCSの音質を支えているのです。 ◆ALUMINIUM ENCLOSUER アルミニウムのエンクロージャーから出る音はクールで冷たい音がすると思われがちですが、決してそんなことはありません。開発途中においては音が膨らみすぎて、クールどころかファットでじゃじゃ馬的な音色を抑えるのに苦労しました。アルミニウムは「振動しない」のではなく「振動の減衰をコントロールしやすい」だけなのです。不要な振動を取り去るためエンクロージャーは何度となく分解され、加工を加え再度組み立てるという苦難の開発経過をたどりました。何も足さない、そして何も引かない本当の低音はこのシステムの最大の特徴です。ウーファーのエンクロージャーはアルミニウムの圧延板を、ミッドレンジやツイーターのケースは巨大なアルミ塊をくりぬいて作りました。素材の9割をげずって捨ててしまう極めて贅沢な構造です。ミッドレンジのケースは内部をテーパ構造プラスリング反射構造とし、素直な音を狙っています。→写真 ◆非対称インナープレート、スピーカーダンパー エンクロージャー内部には20mm厚のアルミニウムを加工したプレートが3枚挿入されています。プレートには上下左右が非対称になるように穴があけられており、エンクロージャー内部の定在波を防いでいます。加えてスピーカー後部にはマグネットを支えるダンパーが設置されています。高級腕時計は、外装より、むしろ内部が美しいものですが、MODEL-CCSもまた大変美しい内部構造になっています。→写真 ◆組み立て加工 すべてが高精度に加工されたパーツは、ガタやゆるみがほとんどないため、組み立て加工にも高度な技術が必要です。たとえば温度管理です。人が手で持っただけでアルミニウムのパーツが暖められ膨張し大きくなってしまいます。そのためすべてパーツを一定の温度に保って作業を行います。また、ボルトを締めこむことによってわずかにゆがみが出て加工精度を超えることがあります。ですから一旦弱いトルクですべてのパーツを組み上げたのちに、すべてのボルトを同時にトルク管理しながら締めていくのです。トルク管理に熟練した技術者に一任しています。部品だけではなく組み立てにも日本の高い技術が生かされているのです。 ◆完全密閉型エンクロージャー 低音再生は非常に難しく、現代技術をもってしても完璧に再生できる製品はないでしょう。バスレフ方式やバックロードホーンなどはウーファーの後ろから出てくる音も積極的に利用して困難な再生に対処している例です。しかしMODEL-CCシリーズのウーファーエンクロージャーは完全密閉型です。ウーファーの背面から出る音やバスレフポートの共鳴音などは利用できないため、豊かな低音を再生しにくい方式と言われています。あえてこの方式採用したのは、ウーファー背面からの少し遅れた音(グル―プディレイ音)を嫌ったためです。録音の技術が進み普通のCDでもかなり正確に低音が録音されるようになってきました。そのため共鳴音などを利用し後付された低音はむしろ邪魔になることがあるのです。十分な容積と強度を持った完全密閉型のウーファーは理論的にはどんな低音でも再生可能で、音源に含まれるすべての音に何もたすことなく、また引くこともない完璧な再生を行います。 ◆FOOT STABILIZER スピーカー本体の足には森式フットスタビライザーを装着。強度の高いアルミベースに加えステンレス製の重量級スタビライザーをOリングを介して装着します。床との接点はニードルスパイク三点支持ですが床に傷のつかない特殊構造です。また簡単な調整で4〜5点指示に変更できる構造としました。→写真 ◆オーバーホール MODEL-CCSのエンクロージャーは接着剤を使わずに作られています。そしてすべてが金属から作られているために、エンクロージャーを分解、オーバーホールが可能です。スイスの高級腕時計と同様に、分解してリニューアルすることができるのです。小さな傷程度ならまったく見えなくなるまでリペアが可能です。永遠とは申し上げられませんが、今までのオーディオ製品とは一線を画す長寿命を携えているのです。 |
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HIRO Acoustic Laboratory
ヒロアコースティックラボラトリー
ヒロ音響研究所